雑誌掲載物件 事例

内容をプリント

12尺2階建て・二重垂木の家:M様邸

12尺2階建て・二重垂木の家:M様邸

寺社建築も手がける腕利き職人が、日本古来の伝統技法で創り上げたM邸。
穏やかな曲線を描く二重垂木の切妻屋根の存在感は、来訪者に畏敬の念すら感じさせる。

M邸の最初の見せ場は、広々とした玄関。左手にはムロの落としがけの飾り台、右手の腰壁は派手な木目が印象的なスギの根木。そして、正面には尺1寸の堂々たるケヤキの大黒柱がどっしりと構えている。柱や床はもとより、建具にも吟味した天然の無垢材を使用した このホールは、天然木の博物館といったところ。その場にいるだけで、森林浴のような爽快感が味わえる。

一般的に、柱は樹齢30年程度の材料を使うことが多いが、庵原建設では一般の住宅よりも年輪の詰まった国産材を使用している。木目が詰まっていて耐久性が高く、磨いたときのツヤの美しさも格段に違うからだ。

▲吹き抜けを貫く9寸ヒノキの通し柱。見上げた先に、美しいヒノキ張りの2階の天井が見える。2階は洋風のイメージ。天井にヒノキを張るなど、隅々までぜいたくな造りになっている。廊下には布団を干すための便利な手すりを設けた。

長い年月を重ね重厚な味わいを発揮する家

和風建築には珍しく、M邸の玄関には、2階の天井まで続く開放的な吹き抜けがある。この空間で威光を放つのが、樹齢100年を超える9寸角のヒノキの通し柱だ。頭上から降り注ぐ日差しに、柱全体がやわらかく包み込まれ、木目の美しさがいっそう際立つ。床板は扱いが難しいといわれる無垢のケヤキ。

同社では、切った材を寝かせておき「暴れ」を落ち着かせてから使うため、狂いはほとんどないという。また、柱の端材を建具に利用するなど、素材を無駄なく使うことも心掛けている。「無垢の天然木の肌触りは新建材にはまねできません。古くなっても安っぽくならないのもいいですね。逆に時を重ねることで重厚な味わいがでてきます」とMさん。 木という素材の性質、そして心地よさを知る通好みの1軒だ。



式台はケヤキ。落としがけに使っているエンジュは、長野などで魔よけとして床柱などにすることが多い。ホールの床下は24mm厚のケヤキとまさにケヤキづくし。


天井高3mの日本間。樹齢100年以上の秋田スギの天井板が見事。単調になりがちな壁の「間」を埋めるため、長押(なげし)を二重にまわしている。


お問い合せフォームへ
ページトップへ