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伝統的な書院造りと施主本来の住まいづくり:F様邸

伝統的な書院造りと施主本来の住まいづくり:F様邸

木目が美しく、磨くと光沢を放つケヤキ。古くから日本建築に使われてきた銘木だが、硬くて加工が難しい上に高価なため、現在では希少材の代表格になっている。伝統的な日本家屋を継承する庵原建設は、そのケヤキを惜しげもなく用いている。例えばF邸。式台、上がりかまち、腰板、大黒柱、階段のすべてがケヤキだ。

ケヤキはほかの材木と比べ反りやすいため、加工が難しく大工泣かせの異名を持つ。ところがF邸を見ると、すべてのケヤキがそれぞれの場所に美しく収まっている。木の特性を知り尽くした庵原建設の技術力の高さが発揮されている。

同社は木使いのセンスにも長けている。F邸では広縁の床にヒノキ、天井に秋田杉を用いているが、これは日差しが当たる所には反りが少ない木を使用するという知恵だけでなく、色調のバランスも考慮にした結果だ。縁側の居心地を高めるために使い分けているという。


折り上げ格天井と彫刻欄間が美しい客間。座卓もケヤキの手造り。


腰から下の木材をケヤキで統一した玄関ホール


力強さが伝わるケヤキの太鼓梁


ものづくりにかける真摯な姿勢

細工の美しさも同社を語る上で欠かせない要素だろう。客間の折り上げ格天井と彫刻欄間の迫力は格別だ。日本建築の様式を踏まえたF邸は、主に武家屋敷で発展した書院造りにも通じる。

同社の住まいは、現代人の暮らしを考慮した側面も持っている。F邸の場合、キッチンにカウンター方式を採用し、洋風のダイニングルームと連結。そこから続く居間には客間と異なるモダンな趣を与えている。外観も伝統様式を取り入れる一方で、華美な装飾を排し、全体を現在的なデザインでまとめている。

伝統、格式、職人の技。「しきたり」を最優先させると思われがちなイメージのある同社だが、住まいづくりの現場では、コミュニケーションを大切にし、施主本位の姿勢を貫く。その真摯な対応は、伝統美と暮らしやすさを両立させようとする考え方の表れであろう。

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